「ホームページ」は本来は"Web site"なので、「家」にたとえるのは誤解しか生まないのでやめた方が良い

(追記:「ホームページ」さまざまな用例集「ホームページ」という日本語をめぐっても参照)
英語圏で「Home Page」と言っても、ブラウザのスタートページの事だと思われてしまう。数年前に調べたときは、Web siteの意味でHome Pageを使っている誤解した英語ネイティヴの人が居たりしたけど。そのときはその人は例外だという結論に成った。(ちなみに情報や指摘は何でも歓迎している。NASA Home Pageが誤解の発祥説とか、public_html/index.htmlのトップページをHomepageと呼ぶのが誤解された説。Web siteのことを総括して"Home page"と呼ぶのは英語としては若干間違ってはいない説等の話は読んだ事が有る)
それに北米における「Home」も、日本の都市圏における「家」の感覚とは違い、応接間はゲストを招く公的な対外スペースというニュアンスも有ったりする。(まぁこれは単なる文化の違いの話なので本質的な要素ではない)
つまり「ホームページ」は誤解から生じた和製英語だ。しかもホーム=家という連想で「Webサイトは家みたいなプライベートな空間だ」という強引なたとえばなしにするのは、本来の定義からすると頭脳が気の毒としか言えない。
Webサイトをたとえばなしにするのであれば

  • 公園のベンチ
  • マンションの掲示スペース
  • フィギアショップにあるレンタル展示台みたいなスペース
  • 電信柱や壁に貼ってあるポスターや壁新聞

にたとえるほうが正確だ。
もちろんパスワード認証などで制限をかけているWebサイトについては除外される)
そういうたとえばなしにすれば、誰からも見える公的な場所になんらかのテキストや絵を展示しておいて「なんで勝手に見るんですか」「なんで展示してあることを話題にするんですか」というのは、セキュリティ的に迂闊なことだというのが良く連想できるのではないだろうか。
念のために数年前から主張していることを繰り返して書くけど

  • 無断リンク禁止」のお願いは自由。だけど、単なる「お願い」でしかないので、聴かない人が居る事を批難しない
  • 「私を批判する言及はムカつくので禁止」と「無断リンク禁止のお願い」は正確に分離して議論しないと混乱のもと
  • 単なるお願いでモラルとマナーに期待するのは、セキュリティ的に脆弱なので避けた方が懸命
  • モラルとマナーに期待してセキュリティが甘い状態を覚悟の上であえて実行するのは自己責任でアリ
  • 覚悟した上であえて実行している事が明記されていないと「それが当然なんだ」と子供が誤解してしまい教育に悪いので、明記してほしい
  • リスクの覚悟も無く、それが当然なんだと思い込んでいる人を見かけたら、指摘して気づいてもらう啓蒙活動をする事が有る
  • メールで指摘しても第三者検索エンジンから観測出来ないので、blogコメントやトラックバックなどの見える場所で啓蒙活動をすることもある

という感じ。

http://d.hatena.ne.jp/makou/20060721#1153413979 から。ちょっと長いけど引用。

話はそれてしまうんだけれども。

道を歩いててね、窓にカーテンがかかってなくて、家の中が丸見えであることに気がつきました。家の中でなにか面白いことが繰り広げられていました。さてこのとき家の中で起きている一部始終を写真で撮って他人に見せまくるのは是か非か、と。これがネット世界についての僕の認識。あ、トラバとか無断リンクの話ね。

別の考え方の人は別の考え方でいいんだけど。少なくとも僕はそう認識しているので、他人の家の中を撮影して第三者に見せて回るようなことはないですね。外から丸見えですよって家の人に告げることはあっても、写真撮って第三者に見せることはないです。

別にカーテンなんか閉めなくてもいいや、別に玄関開けっ放しでもいいやって思ってる住人や、カーテンや玄関の存在すら知らない住人だからといって、僕が勝手に家に上がっていくこともないし、あそこの家は玄関開けっ放しなんだぜってあちこちに教えて回ることもないです。

いや、だからそれがいいとか悪いとかっていうんじゃなくて、ほら、田舎のほうだと勝手に人の家に上がり込んでお茶飲んで帰ったりするでしょ? それはそれでいいと思うんですよ。人の家に上がり込むのが悪いなんて思わないし、玄関開けっ放しなのが悪いとも思わない。

だけれどもだ。もちろん言えるのが、サイト主さん自身にとって自分の家が丸見えであることをきちんと把握しているのかってこと。もっと言ってしまえば、パパラッチよろしく、「勝手に家の中を撮らないで」って言っても勝手に家の中を撮っちゃう人がいることを想定できているのか。パパラッチから身を守るために他の色んな人たちはどういうことをしていたかなってことをちょっと考えてみるといいかもしれませんよね。