「アンケート」「投票」「円グラフ」「多数決」というシステムが持つ「言外の意味」を、時と場合に応じて使いこなすのが詭弁による洗脳合戦の醍醐味

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あたりを読んで考えた事。
顧客のちょっとした意向調査として、人力検索アンケートを利用するのは、自社システムの応用で理にかなっている。
デフォルト全文派も否定派も、どっちからなんかの批判があっても「多数決とは一言も言っていない」と後だしジャンケンで言えば済むし。そもそも(スタッフの思想と合わない)都合の悪い結果が出たからといって、結果を無視してまったく考慮しないわけではないんだし。単になんにも情報が無い所でユーザーの「好み」を想像しようとするのが不毛だから、気軽にアンケートを出しただけで深い意味は無いし。アイデアミーティングのmp3を聴いてもらえれば、そのへんは天然でやっているのは理解してくれるよね?
……というように素で出したアンケートだったのだと思うんだけど。
骨の髄まで投票制民主主義に染まって生きているユーザーが99.9%以上いるはてなで「途中結果が円グラフで表示される多数決」にしか見えないシステムでアンケートを取るのは「釣り能力」が過剰すぎだろう。
これでは、自説に都合の良い結果であれば「だって多数決でこうなりましたし」と利用するけど、都合の悪い結果の時に「検討する際のデータにするだけで、多数決とは一言も書いてませんよ」とするつもりなんだろ。という妙な邪推をされてしまう。天然の人に有りがちな「空気を読みすぎて誤解する人から、もともと有りもしない悪意を邪推されてしまう」という現象が起こってしまう。
あと「設問が意味が取りにくい悪文」という指摘もあるが、それは別の話なので割愛する。
オレが個人的に批判の意味で指摘したいのは

  • 多数決にしかみえないシステムで、多数決じゃない質問をしないほうが良い
  • 特に、深い考えも無しに円グラフ表示をしたのは、プレゼンテクニック的に最悪。グラフには意味があるのだから、理解しないで使わない
  • コストや手間的に人力のアンケートを応用する場合は「誤解されやすい見え方のシステムだけど、仕方なく利用している」ということを自覚してほしい
  • 「多数決の投票に見えますが、多数決ではありません」という解説文を、毎回忘れずに明記してほしい(permalink時代では前後の文脈は読まれない)
  • 理想は人力アンケートに「単なる意思表示システム」となる別の見え方を用意する
  • 「よくわからないけど」という薄い人が、トラックバック先の説明を読んで考えを変えたら投票先を変えられる。というシステムを明記するなり、そういう風に見えるシステムに変える

こんなところだろうか。
もちろんコストも工数もそれなりにかかるので「質問文で説明書きをすることで対処します。システム的に多数決の投票に見えてしまい、よく読まない薄い人が誤解して変な投票をしてしまうことは切り捨てます」という結果に成っても仕方が無いと考えている。
追記。投票中の得票数の公開について - はてなダイアリー日記の2.と4.を実現するときに、円グラフを表示するのは確実に間違っています。グラフと意味と合っていません。(円グラフであれば、結果のシェアを表示するときに使用することになる。それでも多数決ではない議題の時に多数決のように見えてしまうので円グラフは出来れば避けた方が良い)