「知り合いにだけWebを見てほしかったら.htaccessを設定しろ」「パスワード認証なんて難しいものを設定できるのはパソコンマニアだけ。無茶言うな」という不毛な時代の話を思い出す

音楽配信メモ クリエイターは「批評されること」そのものを問題にしているのではないを読んで。
前提が長いので結論だけまとめると「批評するのは自由だが、悪意のあるDISりや匿名でライバル中傷するコメントはフィルターしたほうが良いんじゃないの」という話。
AmazonレビューやiTMSレビューやはてなブックマークコメントは、技術によって素人の「批評」が0クリックで可視化されてしまったというインターフェース的なアンバランスさが津田大介さんのイライラの原因だと思っている。
もちろん根本的には「ああいうのは良くない」という考えが有るんだろうけど。俺はそういうのは「システムが人の思考を多いに左右する」と思っているので、システムを変えれば8割ぐらいはどうにでも成ると思っている。(逆に100%完璧に理想的な批評システムにするのは無理だと思う)
ほんの数年前まで「知り合いにだけWeb日記を読んでほしい。不特定多数の人にツッコミされたりしたくない」という需要は、.htaccessによるパスワード認証をかけろと指摘されていた。「調べればやり方は分かるんだから」と。
それに対して「そんな難しい事は薄い人には出来ません」と反論になっていない反論が良く有った。
今では.htaccessやhtpasswdなどを設定しなくても、ソーシャルネットワークサービスでそういう需要は満たされるようになった。
さて。津田さんの「しょーもない批判文はウザイから消えろ」という需要も、なんらかのテクノロジーで実現される時代が来るではないだろうか。
Amazonで買うページで(津田さんの言う)リテラシーの無い人は「もっとレビューを見る」をクリックしないと俺は思う。だからああいう「参考に成らないレビューは奥に隠れる」というシステムでも、それなりに津田さんの需要は満たされていると感じている。(だから津田さんはiTMSAmazonよりも酷いと感じているのだろうし)
ただ、そのフィルタリングの「程度」がまだまだ甘いのだろう。
「態度」や「悪意」や「礼儀」や「感覚」の程度をすりあわせるのは無理だと思う。なぜなら、それを言語化して定義しない人が多いし、定義してもルールの穴をついてすり抜ける方法はいくらでもあるからだ(慇懃無礼で過剰な褒め殺しレビューを書いて、皮肉だと気づかせる方法とか)